今年もたけの子の卒園式が近づいてきました。たけの子設立から少人数ではありますが毎年卒園児を途切れることなく送り出すことができています。こんなに小さな団体で、しかも震災をまたいで、こうして続けてこれたのはある意味奇跡的な感さえあります。
 今年の卒園児のさくら子ちゃんとの出会いは、彼女がまだ、ほんの2歳ぐらいの時でした。子ども劇場を通じての出会いで、お母さんの桃子さんはさくら子ちゃんのアレルギーについて真剣に悩み、解決策はないかあらゆる可能性について模索しているところでした。その後、たけの子立ち上げ前のプレ保育に何度か参加してくれ、入園も考えてくれたのですが、お母さんが就業希望だったことから保育時間で折り合いが合わず、他園に入園されました。そして、今回の震災後の2011年10月サテライト保育開始から、また縁があり、たけの子に通ってくれることになりました。
 さくら子ちゃんは、入園以来一度も休んだことがありません。いつも元気いっぱいで、前日の夜熱があっても、遊んでいるうちに回復するようなそんなエネルギーにあふれたお子さんです。アレルギーがあることから、お母さんが本当に食事に気を配っており、さくら子ちゃんがアレルギーを起こすものの除去を始め、合成添加物のない自然由来の食品を選んでいることが影響しているようです。また、糖分の取りすぎは子どもの精神的な安定を阻害することから、極力糖分も取らないように心がけています。そんなお母さんの日々の努力があるからこそ、さくら子ちゃんはいつもニコニコと笑顔の耐えないお子さんに育ってきたのだと思います。
 今まではこちらからお願いしていろんなことをやってもらうことが多かったのですが、このごろのさくら子ちゃんを見ていると、誰にも言われなくても小さい子の面倒を見てくれたりすることが多くなりました。先日のお掃除の時も、くっついて離れないそらくんをだっこしたままあちらこちらと移動し、ぞうきんの絞り方や拭き掃除の仕方を教えてくれていました。


 たけの子でのびのび育ってくれるのはありがたいけれど、その後、はたして小学校生活についていけるのか心配なさる方がいらっしゃいますが、幼児期に培うべきは自分が大切な存在であるという自尊感情です。良い子の自分だけではなく、悪い子の自分の時も居場所があるという安心感です。その、丸ごと受け止められているという感覚から他者を愛する気持ちが生まれるのです(「学びの物語」ニュージーランドのティファリキより)。
さくら子ちゃんは、きっと小学校では人気者になるのではないかとわたしは予想しています。足が速く身体がよく動き、優しく、かわいらしいさくら子ちゃんをクラスのみんながほっておくわけがありません。もちろん、そこに自分から働きかける積極性があれば鬼に金棒ですが、すべてを最初から望まなくてもいいと思います。きっと、たけの子で毎日やっていたように、自分から困っている人に自然に手を差し伸べてくれることでしょう。また、将来きっと様々な困難に直面した時に、幼児期に培った自尊感情は、困難を乗り越える原動力になっていくことでしょう。
 わたしは、何も積極的に見える子どもだけが良い子ではないと思います。たとえ、発言するのが遅く、行動も遅い子どもであっても、心の中に自分の考えというものをもっていればそれでいいのです。そして、誰に指図されなくても、自分の思ったことやれれば、それでいいのです。

 たけの子では今、冬期間中、冷たいお弁当のご飯ではなく、炊きたてのご飯を食べさせたいと、支援物資でいただいた新潟のお米でご飯を炊いています。また熊本から月2回送ってくださる支援のお野菜でお味噌汁も作っています。でも、あまりにもおいしいので、おうちから持ってきたおかずを全部食べられないことがあります。お母さん達の朝の苦労や栄養バランスのことを考えると、なぜ、おかずが大切なのかをお話しする必要があるなと思いました。単におかずを食べないとおかわりしてはダメだよとはしたくなかったのです。それで、「たべものはなんでだいじなの?」という全10ページの紙芝居風のものを作ってみました。その中で、動物にはビタミンをつくれる工場を身体にもっているけれど、人間にはないからいろんなものを食べなくてはいけないことや、バランスよく食べるには5色(白・黒・赤・黄・緑)が入るようにするとよいことを話しました。そして、食べ物は自然の恵みからなっているので、食べ物を大切にするということは自然と仲良くなることなんだよ、と締めくくりました。子どもたちが自然を愛するように、食べ物も大切にできるようになって欲しいなと思います。そのために4月からも畑作りを大切にしていきたいと思っています。理屈ではなく、身体で自然を感じてほしいから。  
                      辺見妙子
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2013.03.22 Fri l ●たけの子だより l コメント (0) トラックバック (0) l top

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